ブラジルの年末
登録日:2013年12月14日ブラジルコンサルタントの萩島です。いよいよ12月に入り、年末が近づいて参りました。ブラジルはキリスト教徒が多いこともあり、クリスマスから年末にかけて、国中がとても盛り上がります。ショッピングセンターには大きなクリスマスツリーが飾られ、街には半袖のサンタクロースの置物(ブラジルは夏であるため?)が登場します。プライベートの面では非常にわくわくする時期ですが、お仕事の面では少し困ってしまうことも起こります。ブラジルは年に30日間有給休暇を取ることが出来るのですが、年末にかけてまとめて取る人が多く、12月10日過ぎからクリスマス休暇モードに入ってしまいます。そのため、オフィスにはほとんど人がおらず、仕事も開店休業状態に近いものとなってしまいます。
年末といえば、日本では忘年会の時期ですが、ブラジルにも忘年会があります。私が、ブラジルに居た時に、ポルトガル語を習っていた語学学校の忘年会に参加したことがありました。先生に指定された時間、お店に行ったのですが、誰もおらず困惑した事を今でも覚えています。私が到着してから、15分ぐらい後に幹事の先生が来て、飾り付けを始め、その1時間後ぐらいに皆が集まってきて会が始まりました。人にもよりますが、だいたい、プライベートの場合は約束した時間から1時間後ぐらいに集まるのが普通のように感じました。飲み会などは開始時間が多少遅れても何の問題も無かったのですが、映画の待ち合わせをした時には、観たい映画が観られず残念な思いをしました。ただ、例外として、サッカーの試合を観にいく場合は、皆たいてい時間通りに現れます。
真夏のクリスマスを迎えるブラジルですが、私が暮らしていた、サンパウロは夏も湿気が少なく、日陰に入るととても涼しく感じます。また標高も800mあるため、朝晩が涼しくとても過ごしやすい気候です。しかし、この時期は夕方になると大雨が降り、この雨がとても厄介です。ちょうど、会社の帰宅時間ぐらいに大雨が降るため、歩行者はずぶ濡れになりますし、かん水するトンネルも多く、通行止めになる道路も多いため、大渋滞になります。
サンパウロ市のメイン通りであるパウリスタ大通りは丘のちょうどてっぺんにあり、そこから脇に向かう道は全て坂になっているのですが、大雨の時にはその道が川というより、滝状態になります。排水溝もあるのですが、道に置いてあるゴミ袋が流れて、それが詰まってしまい機能しなくなります。
ブラジルは地震や台風などが無い国で、この大雨が唯一の自然災害といえるものなのですが、かん水などの問題だけでなく、雨によって木が倒れ道を塞いでしまうという事故も頻繁に起こります。大雨は1~2時間もすれば上がるので、木の倒壊事故に巻き込まれないためにも、この時間帯は外を歩くのを控えたほうがいいです。
雨が多く降り、水が豊かであるため、電力の約7割を水力発電に頼っております。雨が多い年はいいのですが、雨が降らないと電力供給がままならないという事態も発生します。私がサンパウロに居た時には木が倒れて電線が切れてしまい停電になったことも何回かありましたし、最大規模の水力発電所であるイタイプ発電所でトラブルがあり、10時間近く停電になり、エレベーターホールで立ち往生したこともあります。
日本ではこの時期、ブラジルのような大雨に悩まされることはありませんが、忘年会や仕事の追い込みで体調を崩さないよう、皆様元気にお過ごしください。それでは良い年末を。
萩島貴(はぎしまたかし)
1982年神奈川生まれ。法政大学社会学部卒業。
2005年松下電器産業株式会社(現パナソニック)に入社後、国内マーケティング本部にて白物家電の商品企画、販促、マーケティング戦略立案、ブランド変更プロジェクトに携わる。
2009年パナソニックブラジルにて、白物家電新規導入、ブラジル工場誘致プロジェクトに携わる。
2012年同社退社後、国際協力NGOにて、震災復興に従事した後、ブラジルコンサルタントとして独立。アヴァンテ株式会社を設立し、現職。
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ブラジルは、日本人と時間に対する考え方が、全く違うと 思います。おおざっぱにみえます。まあまあいいかな。
2014年2月14日
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