ブラジルの クリスマスと年越し!
登録日:2011年12月29日
ブラジルでは、クリスマスと新年は猛暑の時期に祝うのですが、夏が大好きなブラジル人にとっては、身と心がもっともアツくなる2大イベント続きと言えるでしょう。
ヨーロッパが起源のクリスマスや、年越しのことをフランス語の「réveillon」で言い表したり、イタリア発祥のパネトーネを食べたり、又はポルトガルの干しタラ料理を作るなど、年末行事のひとつを見るだけでもブラジルが多くの文化の影響を受け入れていることが分かります。
クリスマスは1年の中でもっともブラジル国民が待ちに待っている行事でしょう。日本でも見慣れている赤い服の格好のサンタクロースは、猛暑の中、暑そうな格好で子供達の人気アイドルとして大活躍します。ブラジルはカトリック教が強い国で、祝日であるクリスマスは、キリスト誕生を祝う意識を強く持っているため、日本のクリスマスで見られる華やかさとは少し感覚が違うのかもしれません。
とはいえども、日本同様にクリスマスツリーを飾り、綺麗なイルミネーションで街が彩られます。キリストの降誕を描いた人形や絵画もよく見かけます。そしてクリスマスの日は、日本のお正月のように家族や友人達と一緒に過ごす時間を大切にします。友人、家族や職場の人達で行うブラジル風のプレゼント交換「Amigo Secreto」という遊びもこの時期の楽しみのひとつでもあります。
七面鳥、チェスター鳥、干しタラ料理などを食べますが、人種が様々な国のブラジルは、過ごし方も多種多様で、日系人の家族なら、おこわ、巻き寿司や刺身など、日本の食文化も食卓に欠かせません。
クリスマスに比べて、新年は必ずしも家族と過ごすとは限りません。白色は縁起がいいことから、大みそかには白い服を身につける習慣があります。豚は鼻を使って地面をほり、前に進むことから、「前進」をするというイメージがあり、年越しに食べると良いとされてます。その反対に、鳥は後ろに羽ばたくことから「後退」をするイメージがあり、食べることを避けられています。レンズ豆を食べる人が多く、1年中お金に困らないことを意味し、イタリアから来ている習慣だと言われています。
サンパウロ市では大みそかの一大イベント、サン・シルベストレ マラソン大会が行われ、世界から多くの選手が参加し、ブラジル国民はテレビの放送に釘付けになります。
そして、年明けにはたくさんの花火を盛大に打ち上げ、中でも有名な場所はリオデジャネイロのコパカバーナビーチになります。海岸付近では海の神イエマンジャ(アフリカ発祥の宗教の神)に願いを捧げたり、波を7回飛び越えると良い年を迎えることができるおまじないがあったりと、夏を好む国民性のためか、海で新年を過ごす人は多いのです。
年も明けて、落ち着きが感じられた頃、ようやくクリスマスの飾りを取り外します。これはブラジル国民がルーズだからではなく、その理由には、キリストの生誕を聞きつけた3賢者が贈り物を届けに行き、到着日が1月6日だったことから、翌年の6日にクリスマスの飾り物を取り外す習慣があるからです。
日本のブラジリアンタウンでは、ブラジルで行われるように、良い年を迎えるために特別料理を作ったり、或いはブラジル料理レストランでチキンの丸焼きを買って帰る人など、日本でもブラジルの習慣を続けることで、ブラジル風の年末年始を同じように楽しむことができます。
ドンダケーーー
2012年2月9日
ゲスト -