ブラジル流に解決!ジェイチーニョとは

登録日:2014年7月24日

ブラジルには「ジェイチーニョ」という言葉がある。直訳すると「小さな方法」だが、「ブラジル流に解決する」と訳すのが適切かもしれない。この「ブラジル流」という言葉にこそブラジル人の魅力が隠されているのだ。

ブラジルは日本の反対側にある国だが、昼と夜が反対でちょうど12時間の差がある。それだけではなく、ブラジル人は日本とは全く反対の価値観・生活感がある。楽観的な国民で人種多様、そして時間にはとてもおおらかだ。パーティは1時間後に始まるのがあたりまえで、市営バスや地下鉄には時刻表は存在しない。そんな国民性ということもあり、案の定W杯の準備は遅れたが、ブラジル人なら誰もこの事態を予想していたのかもしれない。そんな困った時の神頼みこそブラジル流の解決方法「ジェイチーニョ」の登場である。ブラジル流に考えれば、完成しなくても試合さえできれば結果オーライ。出来ていないところはテレビに映らなければいいのだ。ホテル建設も遅れが目立ったが、このことを逆手に取り、家の部屋を観光者に貸し出しお小遣い稼ぎをしている地元住民も現れた。「ジェイチーニョ」があれば高騰中の宿泊費が安くおさえられ、しかもブラジル人と交流もできる、まさに一石二鳥。日本戦が行われたクイアバでは、予定の新鉄道も完成しなかったので、スタジアムまでの移動が懸念されていたが、試合当日にヒッチハイクさせてくれる人は目立った。しかし、ブラジルでは安易に他人の車に乗ってはいけない。強盗の可能性があるだけでなく、運が悪ければプチ誘拐される可能性もあるからだ。スラム街に住む人々はこのブラジル流の解決方法「ジェイチーニョ」で、無断で他人の土地に住みつき、盗電をしたり、又は犯罪に手をのばしてしまったりする人も少なくない。「ジェイチーニョ」は決して良いことだけにあるとは限らないのだ。

治安の悪いイメージがつきやすいブラジルだが、実はとても思いやりのある優しい国民である。混雑しているバスや地下鉄では、座っている人が立っている人の荷物を持ってあげるのがマナーであるが、赤ちゃんを抱っこしてあげる人もいる。重い荷物もまったくいやな顔をせず、いつまでも持ってくれる。また、道に迷っているとみんな助けに来てくれる。ただし、間違った方向を教える人もよくいるのもブラジル人らしいところ。ともかく困っていれば必ずみんな助けにきてくれる。そんなブラジル人の思いやりからこそ「ジェイチーニョ」は生まれたのだろう。「ジェイチーニョ」はブラジル国民の心を結びつけてくれる習慣であり、彼らの陽気さの源かもしれない。



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